11月:『いっしょに』

【月目標】

 *聖歌を歌ったり、祈ることを喜ぶ。

 *思いや主張、甘えを受けとめてもらいながら、安心して生活する。

 *好きな遊び、ごっこ遊びを通して、友達と遊ぶ楽しさを味わう。

 *木の葉や落ち葉など晩秋の自然に触れ、興味を持って遊んだり、味わったりる。

 寒くなってきましたね。一定しない気温の中 いつしか「秋」は訪れ、美味しい果物・高騰している野菜・魚・新米等々、食欲のそそられる食べ物がお目見えしています。山の木々、街路樹も少しずつ色の変化を見せ、美しい綾錦を織り始め、また風に吹かれて舞い降りて落ち葉となってきています。辺りにはまだまだ自然があります。ちょっと行けば山、川、広っぱがあるのです。季節を感じているうちに今年のカレンダーもあと2枚になってしまいました。

 9月から始まった新しいメンバーでのかかわり。担任も書いていますように、2歳児の壁を上手にくぐり抜けようとしつつあるのかな? いえ いえ、家ではそんなことにはまだまだ行きついていないのかな? 如何でしょうか。しかし、確実に集団の中で育つ大切な成長として身についているはずです。2歳児は6人に対し先生一人という規定が設けられていますが、12人なら先生2人で良いかといったら、必ずしもそうではありません。例えば一クラス25人でそれに見合う人数の先生が担任していたとしても、個々への対応を考えた時、十分な関わりが必要なpre-preに対しては非常に難しく、より先生の経験を要するのかもしれません。じっくり関わり、じっくり話を聞いてもらい、いっぱい好きな遊びを集中して行い、自分を主張させながらも「いっしょ」にしていることで譲り譲られて、楽しく安心して遊べることが最も大切なことでしょう。時には先生を独り占めしたくなる時も。なんでそんな気持ちになったはんの? とお友達の主張を我がことのように見聞きすることで、小さいながらも自分自身で感じ、振り返り、ほんのちょっぴり待てるようになる。我慢することもできるようになる。更に、各家庭での生活習慣を学習していき、こんな時には、こんな風に言うと良いということを身に付け、遊びに取り入れ「ごっこ遊び」にも目覚めてきたようですね。一緒におこなうことがいかに楽しく、いかに経験を広げ、いかに自分以外の存在を認めていけるのか。それぞれの子どもたちの成長を見守り、感謝致しましょう。

10月:『ためして』

【月主題】

 *保育者を通して祈る事を知る。

 *一人ひとりが安心して過ごす。

 *新しい環境や保育者に出会い、親しみを感じる。

 *保育者に見守られて好きな遊びを見つける。

 

 それぞれが通う回数は違い、友だちとの関わりも、その内容も自分の思いのままでの関わりの多い日々だと思いますが、10月からのPre-preちゃん達は3人になります。一人は、小花ちゃんとしてお隣のお部屋へ移っていかれます。回数が増えるお友だちもあります。3人のお友だちなのですが、小さな子ども達にとって、しっかり関わり、個々への対応を十分にさせていただく為に、またいっぱい いっぱい成長したい、成長曲線の大きな伸びが見られる、このややこしいこの年齢への対応には、とにかく耳を傾けてあげることが大切ですね。しかし、ご家庭で耳を傾けてもうまくいかないことも多々ありますね。大事な大事な年齢です。このややこしさを経験し、うまく乗り越えられるように、自分でどうして良いのかわからない自分への気持ちを、どこにぶつけたら良いのかと、身体全体で表現しているのですものね。生活の場が広がり、様々な人との関わりにより、お友だちや、先輩達の仕草を見たり、言葉を聞いたり、かまってもらって嬉しくなったり、自分の知らないことをいろいろ教えてもらってこの小さな身体は、心は成長していくのですね。そして、自分もそれが「カッコええなぁ」と思うようになれば「そうしていたら上手くいくやん」と感じ取ったら、「自分もそんなことしてあげよかと、その嬉しさを誰かにしてあげられる経験として増してくるでしょう。日々葛藤。日々怒り。日々悲しみ。日々喜び。日々笑い等々。子ども達のそんな毎日の中にも神様がおいでになることをこの聖マリア幼稚園で学ぶのですね。そのことを知る時は、朝の礼拝、おやつの時、ご飯の時、お帰りの時でしょうか。手を合わせる習慣が身についていることは何て素晴らしいのでしょう。素直に手を合わせて信じ、祈り、感謝できるのです。素直な子どもの心には、すうっと神様がお入りになるのでしょう。毎日神様に守られ、自分のしてみたいことを素直にやってみる、神様からいただいた全身を使って楽しく。

   

9月:『のびのびと』

【月目標】

 *保育者を通して周りの人や友だちのために祈る経験をする。

 *空の雲や風を感じ、移りゆく季節を感じる。

 *手伝ってもらいながら、簡単な身のまわりのことをしようとする。

 *自分から友だちや保育者に思いを伝え、遊びにかかわろうとする。

 

 ツクツクボウシもまだかろうじて、惜しむ夏を呼び覚ましてくれています。その一方では、草陰から虫の声。ショウリョウバッタ(オンブバッタ)・機織りバッタ・ふわ~ふ~と飛びながら餌になる自分の葉っぱを見つけて卵を産み付けている蝶々。地上での短い命を全うしたセミたちがあちこちに。積乱雲からさば・いわし・うろこ ひいてはひつじ雲などもそろそろかと。

 暑い暑いから、涼しさへと私たちの五感が様々な季節の移り変わりを捉え始めますね。そんなことを素直に受け止められている、受け止めようとしているということの幸せ。平和な日々。がこの夏にも、私たちの周りでは、数々の自然災害や人災に見舞われた方がありました。そのような方々を思い、祈り、平和な日々を感謝しつつ、大切な2学期を過ごして行きたいと思います。

 さて、4人のお友だちで始まったPre-preの子ども達。それぞれのご希望で、みんなが揃うのは週2回。でもその中で、さぁ、どんな喧嘩が始まるでしょうか。おもちゃのどんな取り合いが見られるでしょうか。どのお友だちが泣き始めるのでしょうか。そして、誰が助けてくれるのでしょうか。もしかしたらお隣の花組さんかな? それとも赤組?緑組? どこで繰り広げられるかにより、助け手も異なるのでしょうね。Pre-preno子ども達は一番自分を出したい時期。一番譲れない年齢。なんでも自分でしてみたいと思う頃。自分の世界で回っているのですね。でも喧嘩をするということは、相手の存在を知っている(認めていないのですが)のです。「僕がしたいとおもってるにゃから貸してよね!」「僕が先に持ってたんやかあら、取らんといて!」4人とも男の子というのがまたおもしろいところです。どんな揉め事が起こり、どんな風に自分を主張するのかな?どんな時に譲ろうとする気持ちになれるのかな? 毎回の時間の流れの中で、生まれてまだ3年に満たないこの子ども達の「生きる力」そのものに出会えるのですから。まずは、幼稚園は「楽しい!ところ」と思って通って欲しいと思います。そして、喧嘩した後は「ごめんね」の言葉とともに仲直りを覚え、Pre-preなりの大切な時期をここで過ごして欲しいと思います。「やりたい、やりたい」をうまく利用して、なんでも自分でしてみようと思う気持ちを褒め称え、集団の中で、お友だちを認識・意識しながら自立に向かって歩み始めてほしいと思います。

8月:『ゆったりと』

【月目標】
 *神様の創られた自然に触れる。
 *色々な人と出会って楽しい経験をする。
 *家族や保育者とゆったりとした時間を過ごす。
 *好きな場所で遊びが広がる。

 

 この幼稚園で一番小さな子ども達のPre-preさん。時々は、幼稚園の大きいお姉さんやお兄さんの仲間に入れていただき、一緒に遊んだりお手伝いしてもらったり、教えてもらったりと様々な関わりを持ちながら過ごしてきましたね。今年度のスタートは少ない人数でしたが、この園では縦の関係を大切にしている為、いろんなことを見よう見まねで教えられていることもあり、自然な形で仲間入りができています。そして、この年齢で何よりも大切なことは、私たちがゆっくり、じっくりと関わること。一人一人の心の成長を確りと見届け、小さな集団の中で、心ゆくまで楽しんでもらうことです、さらにこの場が安心して居られる場であることの確信を小さいながらに待ち、通園できることなのでしょう。ここの園でこそ育まれるであろう、宗教生を心に取り込めるような機会を持ち、「ありがとう」「ごめんなさい」「好きだよ」「うれしいな」「たのしいな」と感じてもらうことも大切です。一学期を振り返って頂き、そんなことが、しっかりと心と体に身についていただけたでしょうか。これから長い夏休みに入ります、今までの日々の生活が崩れず、次また幼稚園に来れる日を楽しみに待てるように、と思います。そして、二学期から来られる新しいお友だちとの出会いも楽しみにしていてくださいね。長い夏休み、ゆったりと。じっくりと。

 

7月:『ふれて』

【月目標】
 *イエス様を身近に感じる。
 *土、砂、水に触れて遊ぶ。
 *友だちや友だちのいていることに興味を持ち、真似して遊ぼうとする。
 *子どもの育ちを保護者と共に分かち合う。

 

 神様のお創りになった大自然。季節の移り変わりが私たちの生活の中で感じられるようになると、その業に不思議さや、畏敬の念を覚える機会が多くなるように思います。そうなんです。聖マリア幼稚園は神様の幼稚園。神様の姿が見える? どこにおられるのかわかる? いえいえ、そうではありませんね。
 では、この年齢の小さな子どもたちに神様を知らせるのはどうすれば良いのでしょうか。それは、「お祈りすること」「綺麗な声でお歌を歌うこと」「お友だちと仲良くすること」「毎日元気に過ごすこと」「お母さんやお父さんのおっしゃることをしっかり聞くこと」そして、「ありがとう」や「ごめんなさい」が言えること・・・。
 そうですね。「私たちの見えないところで、いつも私たちを守ってくださっているということを知ること」 でも、この幼い子どもたちがどうすれば、そのようなことを学んでいけるのでしょうか。それは、周りにいる大人の口から伝えられる「言葉」や「態度」なのでしょうね。心から、その子どもさんのことを愛すること。それが感じられる様な接し方をすることなのではないでしょうか。そして、子ども同士の集団がそこにあることで、みんなと一緒に手を合わせて「いただきます」をしたり「どうぞ」と手を差し伸べたり、「かしてあげる」ことで仲良しになったりする、そんな場面を繰り返し 繰り返し経験することで、子ども達の「心」の中は育ち、感じ、感謝して穏やかなこころを持つ人間へと成長できる様になるのではないでしょうか。私たちはそのように思っています。まず、真似ることから始まり、場面に合わせた行動が週間となる。大人が年齢に応じた対応の大切さを知ることで、心に添い、けじめをつけることにより、自身が受け入れられていると解る人になっていってほしい。いつも神様、ありがとうのお祈りを持って。

6月:『感じて』

【月目標】
 *成果や祈りのことばに心をあわせる。
 *感染症に気を付けながら健康に過ごす。
 *友だちや身近なものごとに興味を持つ。
 *遊びや自分の思いが大切にされていることを感じる。

 

 真夏日の続いた5月から、本当の夏日に向かう6月の梅雨の時期を迎えようとしています。子ども達は、それぞれの天候に合わせて、園内外での遊びを活発に繰り広げています。1学期が一番たくさん、ゆったりと思いっきり遊べる様に思います。
 それは、年度初めの学期として新たなお友達関係を構築していくためにとても重要なことです。それぞれの成長の中で、相手への理解(遊びを通しての言語でのやりとり、心での感じ方、自分の処し方 etc.)を余儀なくしていかねばならないことに他ならないからです。その関係性の中には、神様が創造されたすべての生き物、お友だちが作った大切な作品、自分が感心を寄せて持参した諸々の物、他のお友だちの所作を見て自分も挑戦してみたいなぁと思うこと、いっぱい いっぱい子ども達の毎日の生活の中には、ただならぬことが満載です。大人は通り過ぎて来た道を振り返れたとしても、その時の気持ちを理解しても、自身がその時の気持ちにまではなかなか下げることはできませんね。だって、人生の多くの経験を経てこられたから、どうしても上から目線になってしまうのですね。幼いお子さんと会わせることの難しさがいっぱいありますね。
 子ども達が毎日、見て、感じて、興味を示して、わくわくする。それが何なのか個々によって異なりますが、どうぞ子どもさんの「発見」にお付き合い下さい。この幼稚園で送り迎えをしていただいているからこそ、お子さんが見つけ、感じ、探求し、納得し、前に勧めるようになるのです。「生活」を基礎に「学習」をしている幼稚園という場では、先生の力量が大いに問われると思っています。子ども達の持つ引き出しが、何段になるのか、大きいのか小さいのか、これから計り知れなくなるその器がより充実した物になるように、私たちがお手伝いできれば嬉しい限りです。さぁ、新たな経験が二つ、今年度もこの6月に始まりますよ。プールと七夕様制作。どんな風に水と戯れ、どんなお飾りが出来上がるのでしょうか。経験を重ねてそれが自身につながりますように。

5月:『気づいて』

【月目標】
 *聖歌に親しむ。
 *草花に触れ、散策を親しむ。
 *ゆったりとした生活リズムや雰囲気の中で、保育者と信頼関係を築き、

  思いや甘えを伝えようとする。
 *好きな場所、遊びを見つけて遊ぶ。

 

 無事、2016年の一ヶ月が終わりました。昨年度の緑組さんが植えてくれたチューリップ・アネモネ・パンジーなで様々なお花が、新しい年度を迎えてくれました。「ここに来れる」という嬉しい、ちょっとドキドキの毎日から、季節は移り、今爽やかな、時には夏を思わせる暑い日のある中、子どもたちの五感が駆使され始める時を迎えています。そうなんです。子ども達の様々な気づき、それはまさしく命との出会いではないでしょうか。子ども達の前にじっとある「砂」だって、鼓動こそ聞こえませんが、それに見える小さな手には大きな鼓動を呼び覚まします。この小さな園庭にだって、子ども達にとって大切な大切な命のやりとりが繰り広げられているのです。毎日神様に守られ、小さな虫やお花にさえ命を下さった神様にありがとうをしながら、お友達同士のふれあいがそこに生まれているのです。子ども達がたのしむこと、興味を持つこと、そして自分からかかわりたいなあと思う時、まず、目の前にあるものに「気づく」ことが大切です。それぞれの興味の方向や、度合いは異なります。きれいな葉っぱやお花が好き、いえいえ大きい樹が大好き、草の葉に隠れる虫探しが好き、草花の命をいただきおままごとに使わせてもらうことが好き、それよりも乗り物に乗ってうまく人や物の間をすり抜けながらこぎ廻るのが好き、青い大空に向かって思いっきり揺らしてみるブランコこぎが好き、グルグル回る螺旋滑り台が好き、やっぱりお部屋での遊びが好き etc.
と思い思いの遊びを見つけ、今まで自分がしたこともない遊びをお友だちから教わり、自ら学び、伝え合ってやってみる。とっても楽しいですよね。大人になるとこんな楽しいこと、お友だちとの関わりの嬉しさを忘れがちになりますね。今、この時を大切にしないで、どうしましょうか!? 子ども達が学ぶこと、それは机上だけではないということ。自分の五感を使い、全身を使い、頭で考え、自分で表現してみる。汗だくになれば、砂まみれになれば着替えればいい。制服じゃないんだから。いくらでも。全てにおいて気づくことが、子ども達の生活を守っています。自分で気づかなくてもお友だちから気づかされることも必要ですね。そこから楽しみが始まります。それを確実なものにしてあげる責任が大人に、幼稚園という集団にあります。そしてそれら全てをお与え下さった神様に感謝したいですね。手を合わせて祈りましょう。